THE CHELSEA HOTEL PROJECT 始動

来夏、ザ・チェルシーのリブランドに併せて、ホテルを開業する計画が発表された。前回は、その目的とポテンシャルに関して、ザ・チェルシー代表取締役社長・住田浩氏にお話を伺ったが、今回は、常務取締役・城下雅成氏に、ホテル事業においてのテーマやコンセプト、そして気になる施設計画の概要についてお話を伺った。

──まず始めに、今回のホテル事業に於けるテーマをお聞かせいただけますか?
城下●テーマは、私共のミッションである「コミュニティー・デザイン」から派生させ、“大人の心呼吸”といたしました。これは、昨今のコミュニケーション手段として多用されているSNSでは得られない、人と人とが直接的に触れ合うシーンを演出し、それを通して「体温」や「潤い」を得る事で、お越しいただく全ての方々に“ココロの栄養”をお持ち帰りいただきたいという想いからです。
──では、続いて全体のコンセプトをお聞かせいただけますか?
城下●リブランドに際して、ご婚礼とご宴会とご宿泊の全てを横断するコンセプトを再設定致しましたが、それをお話しさせていただく前に “どんな方々に向けて”というところからお話しさせていただきます。私どもは、今までもこれからも結婚式場としての役割を崩すという考えは微塵もないという中で、“モノ&人創り”において、いつも真ん中に置いているのは新婦様です。そして、私どもをお選びになられる多くの新婦様が、ゲストの皆様への“おもてなし”を大切にしつつ、センスやスタイルに深いこだわりをお持ちでいらっしゃいます。従いまして、ホテル事業においても「人と人との接点を大切になさり、センスやスタイルにこだわりをお持ちの女性」というのが、最優先すべき対象者であり、考え方全ての出発地点となります。これを踏まえて再設定したコンセプトは、「人と人とが触れ合うシーンをより良く演出し、大切な方と人生を堪能いただく」と致しました。ご宿泊でのご利用の有無にかかわらず、この小高い丘の上をもっと身近に感じていただきながら、地域コミュニティーとして、更に言うなれば「第二の我が家」として、普段使いいただけることをイメージしております。
──ありがとうございます。では、続いて施設概要についてお伺いできますか?
城下●新しく生まれるホテル棟の施設コンセプトは「ココロが潤う過ごせるホテル」とし、ライブラリーやヒーリングテラス、スパ、コミュニティーラウンジといった、時間が静かに流れる“過ごしのコンテンツ”を多くちりばめる予定です。取り分け、お勧めは中四国でも屈指の泉質を誇るラドン泉を用いるスパです。このスパには半露天風呂や、フリーでご利用いただけるビアスタンドなどを設けた“リラクゼーション・スパラウンジ”を併設します。
──では、最近香川県下に、矢継ぎ早に登場しているビジネスホテルとは、一線を画した位置付けとなりますね?
城下●その通りです。私どもは“讃岐のおへそ”と言われる、丁度香川県の中心にある香川町に位置しており、さまざまな観光地へのアクセスが良好な場所です。一方、高松空港からは、お車にて10分弱でお越しいただけますが、決して公共交通機関の整備状況は好ましいわけではなく、また近隣に商業施設が多くあるわけでもございません。しかし、それ故に、このヒルトップからの眺望や街の喧騒から離れた静寂さに併せて、緑や風を感じていただきながら、ゆっくりと流れる時間を完結いただけると考えています。
──では、気になるデザインのイメージは、どのようなものでしょうか?
城下●南北に長い12,000坪の敷地の南エリアに位置するホテル棟は、滝や神社などを有する自然豊かな和風庭園に包まれています。そうしたイメージからも、凛とした中に“懐かしさ”や“癒し”を感じる和モダンのデザインでまとめて参りたいと考えています。
──敷地内に神社があるのですか?
城下●約1,200年前に菅原道真公が、この丘にお立ち寄りになり、ここから観える屋島や瀬戸内海は格段に美しいとおっしゃられたそうです。道真公は、地域住民のおもてなしにも感銘を受けられ、記念して祠が建てられました。尚、この祠の建つ一角だけは、私共の所有地ではなく、国有地となっております。無論、どなたでも自由に参拝ができますので、ご宿泊の方々におかれましては、ちょっとしたアクティビティになるものと思われます。
──ありがとうございます。次回は、お料理へのこだわりや、アクティビティなどの企画プランなどについて、お伺いしたいと思います。