2019 SUMMER OPEN――ザ・チェルシーが「ホテルプロジェクト」始動。
ウエディング&ステイ......
その全てが世界標準へとリブランド!!!

ホテルは、ステイする楽しさとともに、料理を「味わう」楽しみもある。ザ・チェルシーが2019年夏のオープンを目指して、ワールド・スタンダードなホテルプロジェクトをスタート。今回は、ホテルを構成する重要な要素と言える「料理」へのこだわりを、ザ・チェルシーの緒方雅己総料理長に詳しく取材した。

──これまでの経験をお聞かせくださいますか?
緒方●私は、幼いころからよく夕飯の手伝いをしていて、その頃から料理に興味を持ち始めました。そうしたことから、生涯の仕事として料理の道を歩もうと決意して、大阪の料亭で修行し、その後は大阪のホテルニューオータニさんで長く勤めました。5年ほど前から、ザ・チェルシーで総料理長を務めています。
──高松に来られていかがでしたか?
緒方●高松に来てから印象的だったのは、海にも山にも近いことです。こちらでは実際に畑や漁場に足を運んで、現場を見に行って、生産者さんにも素材にも直接、触れ合うことができます。農作物の栽培にしても、漁にしても、たいへん苦労されていることがわかり、材料を大事にしたいという想いが一層強くなりました。生き物の生命力や生産者の想いを受け止め、素材の本当の意味を知り、記憶に残していただきたい私にとっては、この地で料理をご提供できることは、とてもありがたいことです。
──香川や四国の味の違いは?
緒方●農作物では、ハウスものと露地物というのがありますが、食べ比べると違いがわかります。みずみずしさ、苦さ、甘さが全然違いますね。特に、最近の料理は、素材の良し悪しがそのまま料理に影響しますので、いい素材が手に入ることは、料理人にとって大変恵まれた環境と言えます。特に香川では、オリーブ牛、オリーブはまち、オリーブオイルを使うことができます。ここにしかない食材、「讃岐さーもん」やアスパラガス「さぬきのめざめ」などもここでしか作れない品種ですから、ここにしかない味が楽しめます。
──そのような新鮮な素材を使って、ホテルではどのように料理されますか?
緒方●料理の面白さは、「創る過程」にもございます。厳選された食材と卓越した技術で、繊細な気遣いを毎日極め、数えきれない変化や状態を読んで、料理をご提供させていただきます。たとえば、料理法には5つの要素があることをご存知でしょうか。「五法」といいますが、「切る」「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」です。もう少し、細かい料理法として「五適」があります。「適量」「適材」「適温」、そして技術の「適宜」とおもてなしの「適心」です。どちらも、和食の奥義ですが、これらをザ・チェルシーのホテルディナーにも網羅させます。
──料理の基本は、ダシとかスープで決まるといいますね。
緒方●ご存知のように和食のダシは、鰹と昆布がメインです。和食のダシは比較的短時間でできます。フレンチなどはソースを、時間をかけてコトコトと煮込むものが多いですが、和食のダシは短時間でできる分、火の入れ方や気候などに左右されます。すべての条件を把握しておかないと、本当の「おいしさを引き出すことはできません。ダシにも季節感を表現できます。ザ・チェルシーのホテルディナーでも、鰹と昆布だけでなく、野菜や魚、肉のダシで四季の味わいをご堪能いただきます。
──季節によっても、味わい方が違ってきますね。
緒方●はい、いつも同じ調理法ではありません。毎日、鯛をさばいていても、同じ鯛はありません。身の厚さも違いますし、硬さも違います。野菜も同じです。素材の微妙な違いに気がつけば、切り方、味付けの仕方など全ての調理法が変わります。季節だけでなく日々の違いに合わせて料理を極めていくこと......そのためには料理人には「経験」とともに、料理する人の「心」が問われています。これは和食・洋食は 関係ありません。いつも最高のクオリティの料理をご提供し続けられること、それが、ザ・チェルシーのホテルで実現させたいことなのです。
──コース料理でも、いろんなストーリーを楽しめるのでしょうか?
緒方●お皿の中は、一つの素材・料理だけではありません。数種類の料理が盛り付けられています。一種類一種類を食べたとき、そしてお皿の料理を食べ終えたときに、初めてひとつの料理・味わいとして完成します。ひとつのお皿の中にも味や食感の変化がありますから、それらを楽しんでいただければと思います。
──2019年が待ち遠しいですが、ホテルではどのようなスタイルで料理を味わうことができますか?
緒方●四国4県の食材を使った「四国味紀行」をテーマに、四国の地酒とのマッチングをお楽しみいただけます。ホテルではレストランでお食事をお楽しみいただきます。レストランには、鉄板焼きカウンター(個室あり)があり、その後方に一般テーブル席や大小4つの個室もございます。コース料理はテーブル席で、鉄板焼きカウンターでは、鉄板焼きのコースを味わっていただけます。特に、鉄板焼きでは素材が主役ですので、先程お話しましたように、素材の目利きが重要になってきます。素材が味わえる、楽しめる鉄板焼きですので、どうぞ、ご期待ください。